注文住宅の頭金の相場を解説!頭金ゼロで建てる場合の注意点も紹介
注文住宅を建てる際、どの程度の頭金を払い、いくらローンを残すかは多くの人が気になるポイントです。頭金を支払わずに住宅を購入することも可能ですが、ローンの返済額や利息発生額が大きくなるリスクがあります。そこで本記事では、注文住宅を建てる際の頭金の相場や頭金ゼロの場合の注意点などを紹介します。
注文住宅を建てるときの頭金の平均
家を建てる際には、頭金の必要性や理想的な割合、実際の平均データについて知っておくことが重要です。まず、頭金は住宅ローンを借りる際に必要な資金であり、一般的には2割程度の割合が理想的とされます。
しかし、現在の超低金利の状況下では、頭金が0円から100万円程度でも住宅ローンを組むことが可能です。これは、金融機関の多くが頭金不要のローンを提供しているためです。頭金を用意することにはいくつかのメリットがあります。
まず、頭金が多いほど住宅ローンの借入額が減り、返済負担が軽減されます。また、一部の金融機関では頭金の割合に応じた金利優遇制度もあり、審査通過の可能性も高まります。さらに、自己資金で必要な資金を賄えるため、建物が完成する前に必要な支払いをスムーズにできます。
実際の頭金の平均データを見ると、注文住宅(建物のみ)では総額平均が3,572万円で、自己資金の平均割合は16.7%、つまり約597万円です。一方、土地を含む注文住宅では総額平均が4,455万円で、自己資金の平均割合は9.3%、つまり約412万円です。
このデータから、一般的には1〜2割の頭金を用意することが多く、平均的な頭金は400万円から600万円程度であることがわかります。また、30代から40代の年齢層が家を購入する傾向にあり、平均世帯年収に対する総額の倍率も一定の傾向が見られます。
以上のことから、家を建てる際には頭金の用意が重要であり、理想的な割合や実際の平均データを考慮することが賢明です。
頭金ゼロで家を建てる場合
近年、低金利の時代において、頭金なしで家を建てる人が増えています。しかし、頭金が少ない場合には、諸経費の調達方法や返済計画に注意が必要です。まず、頭金なしで家を建てる場合、フルローンとオーバーローンの違いを理解することが重要です。
フルローンは建築費などの全額を住宅ローンで賄い、諸費用は自己資金で支払います。一方、オーバーローンでは諸費用も含めて住宅ローンを組めますが、金融機関によって認められる諸費用の範囲が異なります。
一般的には、大手都市銀行では認められる諸費用の範囲が狭く、ネット銀行では幅広く認められる傾向があります。また、住宅ローンに含めて借入しやすい諸費用には、契約印紙代や登記費用などがありますが、引っ越し費用や家電製品の買い替え費用などは一般的に対象外です。
さらに、住宅ローンとは別に「諸費用ローン」を用意している金融機関もあります。諸費用ローンは、住宅取得に関する諸費用や家具・家電にも使える商品ですが、住宅ローンよりも金利が高くなる場合があるため、注意が必要です。
頭金が少ない場合には、返済計画に無理がないかどうかを慎重に検討する必要があります。オーバーローンで家を建てる場合、年数が経たないうちに家を手放すことになると、住宅ローンの残債が残る可能性が高まります。
そのため、予算を抑える工夫や低コストを得意とするハウスメーカーを選ぶことが重要です。頭金が少ない場合には、諸経費の調達方法や返済計画について慎重に考えることが大切です。
頭金を用意する際のポイント
頭金を用意する際には、預貯金や贈与などの資金を活用することが一般的ですが、注意点があります。まず、預貯金がある場合でも、全額を頭金に充てることは危険です。とくに40代以降の方は、生活費や将来の貯蓄にも配慮する必要があります。
たとえば、生活費の半年分程度や家を建てる際の諸費用、将来の貯蓄など、予備資金を残しておくことが重要です。教育費など将来の大きな出費にも備えることが必要であり、余裕をもって資金計画を立てることが賢明です。
また、頭金を補助してもらう際には贈与の仕組みを理解する必要があります。贈与税の問題に注意が必要ですが、「住宅取得資金贈与の非課税制度」を活用すれば最大で1,500万円までの贈与税が非課税になります。
しかし、この制度を利用するには一定の条件を満たす必要があります。たとえば、贈与者が直系尊属であることや受贈者の年齢が20歳以上であることが条件です。贈与を受けるタイミングも重要であり、家を建てる際に贈与を受けることで節税効果が期待できます。
贈与は暦年贈与として計画的に行うことも可能ですが、近年はその廃止が検討されています。したがって、家を建てる際の贈与を検討する際には、家族でよく相談し、将来の計画を練ることが大切です。
まとめ
注文住宅を建てる際の頭金の相場や頭金ゼロの場合の注意点について理解することは重要です。頭金は、生活費や将来の貯蓄にも余裕をもたせるために適切な額を残すことが重要です。また、贈与を受ける際には贈与税の問題にも注意が必要ですが、住宅取得資金贈与の非課税制度を活用すれば節税効果が期待できます。家族での十分な相談と将来の計画立案が、安定した家計を築くために不可欠です。この記事が、頭金の用意額や返済プランの組み立ての参考になれば幸いです。