屋上付きの注文住宅を建てるメリット・デメリットについて解説!
屋根の部分を平たんにし、ガーデニングスペースやちょっとした庭として利用できる場所が屋上です。屋上を活用すると素晴らしい眺めやプライバシーの確保ができます。その反面、建築コストが高くなることやメンテナンスが大変であるといったデメリットも存在します。今回は屋上付き注文住宅のメリット・デメリットについて解説しましょう。
住宅の屋上のタイプ
住宅の屋上にはいくつかのタイプがあります。
一つ目のタイプは屋根の全面が屋上になっているタイプです。出入り用にペントハウス(塔屋)という小さな小屋を作るのが一般的です。
二つ目のタイプは屋根の一部を屋上とするタイプです。こちらも、ペントハウス経由で出入りします。
三つ目のタイプは屋外階段を設置するタイプです。ペントハウスがないため、屋上を広く使えるというメリットがあります。
四つ目のタイプは隣接する部屋から出入りするタイプです。このタイプはルーフバルコニーあるいは屋上テラスなどと呼ばれます。以前は屋上に関する規制が厳しかったのですが、規制が緩和された2008年以降は屋上を作りやすくなりました。
屋上付きの注文住宅を建てるメリット
建物の最上部にあたる屋上は眺めがよく、開放的な気分になれるでしょう。周辺の建物や地形にもよりますが、晴天時には普段見えないような遠方まで見渡せます。そこにキャンプ道具を持ち込めば、郊外まで出かけなくてもキャンプ気分を味わえることでしょう。夜になると星空を眺めることもできます。
洗濯物を干しやすいのもメリットのひとつです。ベランダや室内よりも風が通るため、洗濯物が短時間で乾きます。太陽の光で温められた布団はふかふかで、抜群の寝心地です。
ガーデニングスペースとして利用するのもよいでしょう。通行人など第三者が立ち寄れない場なので、完全なプライベートスペースとしてガーデニングを楽しめます。犬を飼っているのであれば、ドッグランとして活用することもできるでしょう。また、ジャグジーやちょっとした家具を持ち込めば、自宅に居ながらにしてリゾートにいるような気持ちになれるかもしれません。
屋上付きの注文住宅を建てるデメリット
屋上付き住宅にはさまざまなメリットがあるとわかりました。ここからはデメリットについて解説しましょう。
一つ目のデメリットは、屋上に雨水がたまるリスクが発生することです。基本的に、屋根は雨水を受け流すように作られているため、破損や老朽化をしていないかぎりは雨漏りしません。しかし、屋上を作ってしまうと平らな部分に水が溜まってしまう可能性があります。
スペースを作る際、排水にかなり気を使っているはずですが、集中豪雨が発生したり、メンテナンスを怠って排水管が詰まっていたりすると排水能力が低下して雨水がたまってしまいます。雨水をためないためには排水管を複数設けることや排水溝を細目に清掃することが大切です。
二つ目のデメリットは建築・維持のコストが高くなることが挙げられます。一般的な住宅と比べると屋上付き住宅は専用の設備などが必要となるため、建設コストが割高になるのです。
また、雨水をため込まないようにするため、こまめなメンテナンスが必要となります。排水設備が老朽化すると雨水をため込む原因になってしまうため、定期的なメンテナンスが必要です。そのたびにコストがかさんでしまいます。それを踏まえると、屋上付き住宅は建設コスト・維持コスト共に高くなる物件だといえるでしょう。
三つ目のデメリットは掃除が大変であることです。常に風雨にさらされている屋上は汚れやすいため、定期的な清掃が欠かせません。
注文住宅に屋上を設ける際の注意点
もっとも心配なのは、子どもが転落するリスクです。小さな子どもがいたり、ペットを屋上で放したりしている家庭では眺望をある程度犠牲にしても壁やフェンスを設置したほうがよいでしょう。また、屋上は眺望がよいですが、見方を変えれば周囲から丸見えです。近くに高い建物がある場合や下から見える場合は、視線を遮るようなものを設置するのもひとつの方法といえます。
さらに、屋上は開放感があるため、ついつい声が大きくなったり、バーベキューなどでうるさくなったりしてしまいがちです。近隣住民の中にはそういった音が苦手な人もいるかもしれません。キャンプ場などと違い住宅地にあるということを忘れずに行動し、近隣トラブルを避けましょう。もちろん、こまめなメンテナンスも欠かせません。屋上の機能を維持するため、頻繁に清掃するのがおすすめです。
まとめ
今回は屋上付き注文住宅を建てるメリット・デメリットについてまとめました。スペースを有効利用でき、眺めもよいことから屋上付き住宅に憧れる人は少なくありません。しかし、転落のリスクやコスト、維持管理の手間を考えると、簡単に設置するのは考え物です。屋上の設置を決める前に、いろいろな可能性を考慮してから検討したほうがよいでしょう。