木造住宅と鉄筋住宅それぞれのメリット・デメリット

注文住宅の購入を検討している方にとって、住宅に使われる建材は関心事の1つです。そこで本記事では、家づくりを始める際に多くの方が悩む「木造住宅」と「鉄骨住宅」の違いについて詳しく解説します。それぞれのメリット・デメリットを深掘りして解説するので、家づくりを考えている人はぜひ参考にしてください。
木造住宅のメリット
まずは、木造住宅のメリット・デメリットについて整理します。
メリット①施工会社の選択肢が多い
まず大きなメリットのひとつは「施工会社の選択肢が豊富であること」です。日本では古くから高温多湿で地震の多い気候風土に適した建築として木造住宅が発展してきました。木は通気性に優れ、地震後の復旧もしやすい素材であったため、広く普及しました。その結果、現在でも木造を扱う工務店やハウスメーカーは多く、依頼先を幅広く選べる点が強みです。一方、鉄骨住宅は加工や施工に専門性が求められるため、対応できる会社が比較的限られます。
メリット②気密性・断熱性が高い
次に、気密性・断熱性を高めやすい点も木造のメリットです。鉄と木では熱伝導率に大きな差があり、木は熱を伝えにくい素材です。そのため、適切に施工すれば断熱性能の高い住まいを実現しやすいといえます。また、木材は加工しやすく、気密シートなども施工しやすいため、隙間の少ない家づくりにも向いています。
ただし、これはあくまで正しい施工が前提です。断熱材の充填不足や窓性能の低さがあれば性能は発揮されません。住宅性能を確認する指標としては、隙間の大きさを示すC値や、断熱性能を表すUA値などがあり、これらを実測・提示してくれる会社を選ぶことが重要です。
メリット③コストが比較的安い
さらに、コスト面では「比較的安く建てられる可能性がある」点が挙げられます。木材は檜・杉・松など種類や産地、品質によって価格差が大きく、選ぶ材料次第でコスト調整が可能です。間伐材や安価な木材を使えば費用を抑えることもできますが、高品質な木材を使えば価格は上がります。つまり「木造は必ず安い」のではなく「仕様によっては安くも高くもなる」のが実情です。
デメリット①乾燥・経年変化がつきもの
一方でデメリットもあります。まず、木は生き物であり、乾燥や経年変化による収縮・ねじれが起こる点です。熟練の大工であれば特性を見極めて施工しますが、品質や施工精度によっては本来の耐震性能が十分に発揮されない可能性もあります。施主側が木材の品質を判断することが難しい点も課題です。
デメリット②シロアリ被害・腐朽が懸念される
また、シロアリ被害や腐朽のリスクも無視できません。日本の気候は湿度が高く、施工中の雨濡れや結露、雨漏りなどが原因で木材が水分を含むと腐食しやすくなります。湿った木材はシロアリの被害も受けやすいため、防蟻対策や適切な乾燥・施工管理が不可欠です。
鉄筋住宅のメリット・デメリット
続いて、鉄筋住宅のメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット①品質が安定しやすい
鉄骨造住宅のメリットとしてまず挙げられるのは、品質が安定しやすい点です。木のように素材ごとの個体差やねじれ、収縮といった特性が少なく、工場生産による部材の精度も高いため、施工品質にばらつきが出にくいという強みがあります。職人の経験や技量に左右されにくく、一邸ごとの差が比較的少ない安定した住まいを実現しやすい構造といえます。
メリット②大空間や大開口の設計がしやすい
次に、大空間や大開口の設計がしやすい点も大きな魅力です。鉄骨は強度が高いため柱と柱の間隔を広く取ることができ、広々としたLDKや大きな吹き抜け、オーバーハング形状など、開放感のある間取りを実現しやすくなります。木造でも工夫次第で対応は可能ですが、一般的には鉄骨の方が構造的自由度は高い傾向があります。
メリット③資産価値が長持ちしやすい
さらに、資産価値が比較的長持ちしやすい点もメリットです。法定耐用年数は木造22年に対し、鉄骨造は鋼材の厚みによって27年または34年と定められています。実際の寿命はメンテナンス状況によって大きく異なりますが、一般的には鉄骨住宅の方が経年劣化が緩やかです。ただし、その分固定資産税の評価額が下がりにくいという側面もあります。
デメリット①施工できるハウスメーカーが限られる
一方でデメリットも存在します。まず、施工できる住宅会社が限られる点です。鉄骨造は主に大手ハウスメーカーが取り扱っており、ローコスト住宅として提供されるケースは少ないのが現状です。そのため初期費用は高めになる傾向があります。ただし、家づくりは初期費用だけでなく、将来的なメンテナンス費用を含めたトータルコストで考えることが重要です。
デメリット②断熱性を高める工夫が必要
また、断熱性・気密性を高めるには工夫が必要です。鉄は木に比べて熱伝導率が非常に高く、適切な断熱対策を行わなければ夏は暑く冬は寒い住まいになりやすい素材です。そのため高性能な断熱材や窓仕様の採用が不可欠となります。気密性能を示すC値や断熱性能を示すUA値などを確認し、数値で性能を示している会社を選ぶことが重要です。
まとめ
木造住宅と鉄骨住宅は、それぞれに明確な強みと注意点があります。木造は日本の気候風土に適し、施工会社の選択肢が多く、断熱性やコスト面で柔軟性がある点が魅力です。一方、鉄骨住宅は品質が安定しやすく、大空間設計や資産価値の維持に優れています。ただし、どちらも素材の特性を正しく理解し、性能数値や施工体制を確認することが大切です。大切なのは「どちらが優れているか」ではなく、「ご自身の暮らし方や価値観に合っているか」という視点です。後悔のない家づくりのために、それぞれの特徴を踏まえたうえで、納得できる選択をしていきましょう。












